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《坦々麺話 坦々麺のレシピ その4》

『調味料』の入手方法について


『陳建民』さんが来日した時は、四川料理の食材がまったくなく、『豆板醤』も庭にそら豆を育てて作る、といった苦労が あったそうですが、今は『中華街』や『中華食材店』やネットで簡単に買えるものも増えているようです。ただ、厳密に 四川省でつくられた調味料や食材ということになると未だに入手困難なものも多いようなので、代用品を使うことになります。

◎醤油
◎葱 
◎香油(ゴマ油)
◎味精(味の素)
◎酢
以上のものは、日本のもので代用して大丈夫だと思います。


あと上のレシピには原料としてはでてきませんが、四川料理にとって忘れてならない調味料が

◎四川山椒(漢源花椒)
四川料理の最大の特徴である『麻辣(マーラー)』のうち『麻(マー)』すなわち舌の痺れるような刺激的な辛さと香りは、この花椒です。

花椒(ホワジャオ)

細かく砕くのがめんどうな方は粉末になったこちらを使用してください。
四川花椒粉(シセンホワジャオフン)


◎四川唐辛子(朝天辣椒)
『麻辣(マーラー)』のうち『辣(ラー)』辛みを与えるのがこの朝天辣椒です。

朝天干辛椒(チョウテンガンシンジャオ)

この二つについては『中国の四川料理について』に詳しく書いていますのでそちらをご覧ください。二つとも今は安く手に入ります。唐辛子は日本のものでも代用できますが、より本格的な強い辛みを求めるかたは、ぜひ『朝天辣椒』を使ってみてください。すごく小さいピーマンのような形をしています。

◎化猪油(ラード)
合成的混合油と別にありました。おそらくタイズ油と混ぜたラードだと思うのですが…よくわかりません。もちろん普通のラードでいいと思います。 中国では飼料の不足などから経済効率のよい『大豆』を見直そうという考えがあるようで、これもその一つだと思うのですが。

◎辣椒油
ネットでも販売されているようです。

ラー油にいろんなスパイスの風味がついたものと考えてもらっていいと思います。

潮州辣椒油(チョウシュウラージャオユ)
潮州辣椒油(ラージャオユ)

いちおう辣椒油の作り方
(※ 一例です、中に入れるスパイスは人によって違うようです、ゴマを混ぜたりとか皆さんも工夫してみてください。)としては

その1. 
四川唐辛子を軽く炒める。細かく砕くか切っておく。

その2. 
鍋で唐辛子が浸かる程度の少量の植物油(菜種油とかゴマ油とかいろいろ使います)を熱する。高温の油にネギとショウガをいれてさっと炒める。

その3. 
火を弱めて、これに数粒の四川山椒を加え、まだ熱い油を先ほどの唐辛子にジュッとかける。かき混ぜながら赤い色が油にうつればできあがり。


◎芝麻醤
コクと香りを出してくれます。市販のものを使ってもよいと思いますが、ようするに『練りゴマ』なので、 市販のゴマを油が出るまですったものを使った方が、香りがよくて新鮮で美味しいかと思います。全部を擂るのが大変な場合は、芝麻醤に軽く煎ったゴマをまぜて香りを足すのもいいかもしれません。 福龍ではお店でゴマをひたすらすってます(笑)。

【男厨】芝麻醤 400g
芝麻醤


◎圓細麺條
向こうでは手打ち麺ですが、どのような麺か詳しいことはわかりません、名前は主に形についてを述べていると思いますので、 中華食材屋さんに普通に安く売っている、きしめんのような形状の白い平打ち中国麺の乾麺か生麺を使用すればいいと思います。解説では細くて薄いとありますが、成都のものはかなり太めのあっさりしたうどんといった感じです。


◎豚ミンチ
なぜか抜けているのですが、普通に炒めてネギとかといっしょに、下から調味料→麺→豚ミンチの順番でお椀に盛ればいいです。 よくかき混ぜて食べます。豆板醤や甜麺醤で味付けしてもよいかと思います。かき混ぜると伊勢うどんのような状態になります。成都担々麺ではミンチの味付けは秘密だそうですが、 おそらく甜醤油のようなものが入っているとおもわれます。


ピーシェン豆板醤
そら豆を発酵させたものに唐辛子を加えた辛味噌。豆板醤はぜひ、味に優れたピ県(ピーシェン)のものをお使いください。
詳しくはこちらを。


甜麺醤(テンメンジャン)
中国の甘味噌です。甘みとコクを出します。回鍋肉(ホイコウロウ)にも欠かせません。八丁味噌に似ている。甘くて(甜)小麦でできた(麺)味噌(醤)という意味。


◎川冬菜
これが塩気と旨味を与えます。
『川冬菜』で検索しても情報が少なく、どういうものなのか最初まったく分からなかったのですが、 四川省の名物の漬け菜で大芥菜(タアヂェツァイ、ピッリッとした辛みのあるからし菜の一種、これの実からカラシがとれる)を塩漬けしたものを発酵させつつ 天日で乾燥させたものだそうです。川冬菜そのものを日本で入手するのは困難なようです。


大芥菜(中国野菜として生で売られています)

芥菜(ヂェツァイ・カラシナ)には小芥菜と大芥菜の2つの品種があるそうです。 大芥菜は日本の高菜に相当する野菜なそうなので(タイカイナ→タカナになったらし)、高菜漬けで代用できるのではと思うのですが、味の雰囲気が違うので、 ザーサイで代用するほうが、いいかもしれません。 陳建民さんもザーサイを使用していました。

ザーサイの材料となる野菜はその名も搾菜(ザーサイ)だそうで、四川省の大芥菜の変種で根元のすぐ上にできる大きなコブ(青菜頭・大頭菜)を 天日で干して搾り柔らかくしたものを、唐辛子などの香辛料で塩漬けたものがザーサイとの説明がありました。1910年頃、邱寿安という農民の人が発明したそうです。 詳しくはこちらを。
ということは、川冬菜は『ザーサイの茎や葉の部分』みたいなものだと思われます(笑)。ザーサイは別名を『包包菜』ともいうそうです。

日本では、紫蘇の香りのする『梅干菜(梅乾菜)』という言う台湾のモノのほうが有名なようです。 漬け方と干し方により『酸菜』『雪裡紅(シュエリホン)』さらに少し日に干すと『福菜』、完全に干したものが『梅干菜』というそうです。

『干菜笋』という雪菜の筍入りのものが有名でコレで代用すべしとありますが、こちらも専門店でないとないかもしれません。
小芥菜の芽の部分を使用してるらしい『芽菜』の高級品『宜賓芽菜(イービン・ヤーツァイ)』は、昔『四川飯店』の料理人たちが、これさえあれば本場の味より美味しい担々麺がつくれるのになあと嘆いた食材なんだそうですが、 今はなんと、『楽天市場』で買えるそうです。便利な時代になりました(笑)。次ページの『重慶小面』でもこれが使われています。

しかし、ややこしすぎる表記です。漬け菜だけで一ページ書けそうです、涙。からし菜の一種で…てのが、計何種あるんだろうか、たぶん、野菜一つとってもすごい数の亜種や名前のないような変種があるのでしょう。 さらに調理の方法で名前が別れて…ザーサイも結構最近まで『詳しくは何の野菜か分からなかった』そうですから…中国おそるべしですね。 泡菜、酸菜、熟蔬菜、干蔬菜、咸菜、脱水菜、冬菜、百合菜、紫菜、海菜、黄花菜、雪菜などなど。


芽菜(ヤーツァイ)

宜賓芽菜(ヤーツァイ)



さらに詳しく知りたい方はこちらもどうぞ
『担担麺話』の目次にもどる。

中国の四川料理について

四川料理とは



中華食材販売サイト



日本橋 古樹軒


◎中華食材の専門店です。かなり本格的な食材を家にいながら通販で手軽に買う事ができて非常に便利です。いい時代になりました。




関連書籍

中華料理技術入門
陳 建民 著br> 柴田書店 1968年

入門とあるものの内容は解説といった感じのプロ向けの本。これを読んだのが中華料理人になるきっかけだったという人も多いそうです。


新 中国料理大全〈4〉四川料理
中山 時子・陳 舜臣・木村 春子 著
小学館 1985年

中国・四川省のレシピを正確にしるしたレシピと四川料理のガイド的な本。


四川料理「天悠」の自家製調味料
嶋 典雄 著
河出書房新社

陳建民さんの弟子で『天悠』の店主である嶋 典雄さんが書かれた『自分で四川調味料を作る』ためのレシピ本。
本文にも書いたが四川料理はスパイスが命なんだと思います。その意味ではカレーと同じ。 この本はそのスパイスの作り方を教えてくれるという意味で超オススメの一冊です。
一度やってみると、自家製スパイスで作る料理のおいしさと面白さにはまるハズです。(笑)
でもあくまでコレもひとつの参考にすぎず、たえず工夫を重ねていけるのが四川料理の奥の深さだと思います。
ぜひ、オススメしたい一冊です。

 

 



 

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